はじめての機械学習-単回帰分析

「はじめての機械学習」シリーズの単回帰分析編です。
このシリーズは、機械学習に初めて取り組むときに、学んだことをシリーズ化してみました。
これから、機械学習に取り組みたいと考えている方のお役にたてれば幸いです。

シリーズのコンテンツ


単回帰分析を使うケース


単回帰分析は、目的変数と説明変数の間の線形関係を探求するための手法です。
以下に、単回帰分析が効果的なケースを列挙します。

  • 価格予測: 商品やサービスの価格を予測する場合、単回帰分析は有用です。たとえば、中古車の販売価格を予測する際に、車の年式や走行距離などの説明変数を用いて単回帰分析を行うことで、それらの変数と価格の関係を理解し、価格予測モデルを構築することができます。
  • 広告効果分析: 広告キャンペーンの効果を評価するために単回帰分析を使用することがあります。例えば、広告費用を説明変数とし、売上を目的変数として単回帰分析を行うことで、広告費用と売上の関係を明らかにし、効果的な広告戦略を立てるのに役立ちます。
  • 人口統計データ分析: 単回帰分析は、人口統計データの分析にも利用されます。たとえば、都市の人口増加率を目的変数とし、その都市の平均年収や失業率などの要因を説明変数として単回帰分析を行うことで、人口増加と経済要因の関係を探求することができます。
  • 学業成績予測: 学生の学業成績を予測するために単回帰分析を使用することがあります。たとえば、学生の勉強時間を説明変数として単回帰分析を行うことで、勉強時間と成績の関係を把握し、将来の成績予測に役立てることができます。

れらは単回帰分析の一部の例ですが、実際の問題に応じてさまざまなケースで単回帰分析を使用することができます。
重要な点は、分析したい現象や関係性が線形であることを前提としていることです。
非線形な関係が存在する場合は、より高度な手法や多変量解析を検討する必要があります。

単回帰分析作業手順


単回帰分析を使ってPythonでアプリを作る手順をステップバイステップで説明します。

  1. ステップ1: 必要なライブラリのインポート
    Pythonのpandasscikit-learnライブラリをインポートします。pandasはデータの操作と整形に使用し、scikit-learnは機械学習モデルの構築に使用します。
  2. ステップ2: データの準備と読み込み
    分析に使用するデータを準備し、必要に応じて前処理を行います。例えば、CSVファイルからデータを読み込む場合は、pandasread_csv()関数を使用します。
  3. ステップ3: データの視覚化
    データをグラフやプロットを使って可視化し、目的変数と説明変数の関係を観察します。matplotlibseabornなどのライブラリを使用してグラフを作成します。
  4. ステップ4: データの分割
    データセットをトレーニングデータとテストデータに分割します。トレーニングデータはモデルの学習に使用し、テストデータはモデルの性能評価に使用します。scikit-learntrain_test_split()関数を使用します。
  5. ステップ5: 単回帰モデルの学習
    分割したトレーニングデータを使って単回帰モデルを学習させます。scikit-learnLinearRegression()クラスを使用します。目的変数と説明変数を指定し、fit()メソッドを呼び出してモデルを学習させます。
  6. ステップ6: 予測の実行
    学習したモデルを使って、テストデータの説明変数から目的変数を予測します。predict()メソッドを使用し、予測結果を取得します。
  7. ステップ7: モデルの評価
    テストデータの実際の目的変数と予測結果を比較し、モデルの性能を評価します。一般的な評価指標として、平均二乗誤差(Mean Squared Error)や決定係数(Coefficient of Determination)などがあります。
  8. ステップ8: 結果の可視化
    学習済みモデルの予測結果を可視化し、実際のデータと比較します。matplotlibseabornを使用して、予測結果や残差プロットなどを作成します。

以上が、単回帰分析を使ってPythonでアプリを作る手順の基本的なステップです。それぞれのステップで必要な関数やメソッドの使い方については、詳細なドキュメントやチュートリアルを参照することをおすすめします。