Apple M4 (Mac mini M4 memory:32GB) vs Google Colabo比較実験

最近、YOLOを使った物体検出および追跡に取組んでいます。
物体の状態を読取るための実験的取組を行う機会があり、4か月くらい前に、メータの数値の読取りを試していました。
OpenCVベースで行う方法もあったのですが、YOLOを使ってみることにしました。
自分が必要としている対象を学習させ、実際に検出させてみます。
結構いい感じでメータのパーツを検出できました。
自分のメイン開発機は、Windowsなのですが、あまりいいグラボが乗っていないこともあり、Google Colaboratoryで行っていました。

Google Colaboratoryは、以前、時系列問題の時から契約しているので使い慣れている環境でもあります。
ディープラーニングというかAI関係で使うには非常に便利な環境です。
月額\5,767.-(2025/11/16時点)で、600コンピュートユニットが利用できます。600って。。。実行する時にどんな性能のCPU/GPU/TPUやメモリを使うかで変わります。
ちなみに、A100 GPU ハイメモリの場合で、1時間当たり7.52のコンピュートユニットを消費します。
つまり、79.79時間分が月額で十応できることになります。
連続は24時間が実行時間上限なので、ハードに連続利用したりすると、3日~4日分ということですが、そんなにハードな使い方をしなければ、これでも結構使えます。3か月間は繰り越せるので、何も使わなければ、1800コンピュートユニットまでが繰越可能です。

【A100 GPU/ハイメモリのスペック】(2025/11/16時点)
・システムRAM: 167.1GB
・GPU RAM: 80GB
・ディスク: 235.7GB
・コンピュートユニット/時間:7.52

とはいえ、毎月、\5,767.-(2025/11/16時点)の費用は、個人支払いの負担は重いものがります。
ということで、昨年購入した、Mac mini(Apple M4/mem:32GB/内蔵ssd:512GB/外付ssd:2TB)を使うと、同程度の計算がどれくらいでできるかを試してみることにしました。

検証対象

Google Colaboratoruで行う作業で、もっともコストのかかるモデル学習時間を計測します。
学習に使用するデータの特徴は以下の通りです。

項目説明
学習済ベースモデルYOLO11 (yolo11m.pt)追加学習のベースモデル
アノテーション画像数323枚追加学習用にアノテーションした画像とアノテーションデータをYOLO形式のデータセットにまとめたもの
画像サイズ1920×1080学習画像サイズ
学習時imgsz640画像学習のための単位領域
大きいとよいとは限らない

学習データは、Labelmeというツールを使用して作成しました。
LabelmeはYOLO形式のデータセットとは異なるため変換が必要です。有償版では変換するためのコマンドも提供されていますが、今回はlabelme2yoloというツールがネットに公開されていたので、それを使用しました。

比較実験

今回の検証は、Google Colaboratoryでのモデル学習作業をmac miniで置き換えると、どの程度現実的なのか?この比較と行うのが目的です。
そこで、Google Colaboで学習するためのコードと、mac miniの環境を近い状態にするため、mac miniにJupyter Notebook環境(Python含む)を作り、その比較を行います。

比較実験結果:

プラットフォーム環境モデル学習実行時間検出実験時間(参考)
Google ColaboratoryCPU(ハイメモリ)6時間6分
A100 GPU4分(0.07時間)1分
L4 GPU8分(0.14時間)1分
T4 GPU10分(0.17時間)1分
TPU v62時間2分
TPU v52時間2分
Mac mini M4(mem:32GB)CPU4時間10分未計測
GPU55分1分

Google ColabolatoryでCPUとMacのCPUでは、Macの方が性能が高い結果が得られました。
実際には、学習画像が、323枚というような少ないものではないので、モデル学習では、GPUで行うことになると考えます。
そういう意味で、Google Colaboratory A100 GPU vs Mac GPUの比較に注目します。
4分 vs 55分という関係から、Google Colaboに比べて13.75倍macでは時間がかかっています。
単に時間だけで考えると、macでの学習も現実的にはありです。
一つ考えなければならないといけないことは、モデル学習に必用なメモリサイズです。
今回ではMac 32GBでも十分学習できましたが、場合によってはメモリの制約になるかもしれません。
そういう場合は、Google Colaboratoryでのハイメモリになってしまいます。

結論

Mac miniでもYOLOモデル学習はできます。
しかし、多くの学習を行う場合、メモリーは多く搭載しておくことをお勧めします。
できれば、Mac mini Pro4で、48GBや64GBが安心でしょう。
今後、LLMなども視野に入れると、Mac Proなんかも欲しいところです。

とはいえ、仕事で使う事を考えると、処理時間は作業効率に重要となります。
それから考えると、Google Colaboratoryの利用と合わせて使っていくことになりそうです。